節約したい、外食やコンビニに飽きた――そんな気持ちから、「料理は苦手だけど、自炊を始めたい」と考える人は多いはずです。例えば、毎日同じようなお弁当や惣菜ばかりでは飽きてしまったり、ふとした瞬間に手作りの温かいごはんが恋しくなることもあるでしょう。
また、自由な時間をもっと有効に使いたい、食費を上手にコントロールしたいといった現実的な理由もあります。自炊は、最初の一歩を踏み出すのに少し勇気がいるものですが、そうした気持ちや背景を理解してあげることで、続けるモチベーションがぐんと高まります。まずは、その気持ちにしっかり共感しながらスタートしましょう。
続かないのは当たり前!挫折する“3つの原因”

- 手間がかかる:一人分の料理でも、下ごしらえから調理、片付けまでを考えると意外と時間と労力が必要です。特に仕事や学校のあとだと、その手間が心理的なハードルになってしまいがちです。
- 何を作ればいいかわからない:レシピを探すのも手間で、結局「まあいいか」と諦めてしまう人も多いです。冷蔵庫にあるもので何が作れるのか判断するのが難しく、結果的に面倒に感じてしまいます。
- 材料が余ってムダになる:一人暮らしだと、スーパーで売っている分量が多すぎて、使い切れずにダメにしてしまうこともあります。これが続くと「せっかく買ったのにもったいない」という罪悪感につながることもあります。
自炊が続かないのは、あなたのやる気が足りないからではありません。むしろ、忙しい一人暮らしの中では挫折して当たり前のことです。時間や気力、食材の管理など、いくつもの小さなハードルが積み重なることで自然と続けにくくなっているのです。
だからこそ、まずは「自分を責めない」ことが何よりも大切です。失敗してもそれは自然なことであり、むしろ続ける工夫を見つけるきっかけになります。
「これだけ守ればOK!」楽ちん自炊ルール5つ

品数は1品だけでOK(副菜は不要)
最初から品数を増やそうとすると準備や片付けが一気に大変になります。
まずは1品をしっかり作ることに集中することで、気持ちもラクになり、自炊が続けやすくなります。
使う調理道具は3つまで(包丁ナシ・レンジ中心)
例えば、丼・レンジ対応のタッパー・キッチンバサミがあればほとんどの簡単料理はカバーできます。
洗い物も最小限になるので、調理後の片付けがとてもラクです。
味付けは1種類だけ(塩だけ/ポン酢だけ、など)
調味料をたくさん使うと、それだけで工程が複雑になってしまいます。
お気に入りの味付けを1つ決めておくだけで、失敗しにくく、味も安定します。
慣れてきたら少しずつバリエーションを増やしていきましょう。
買い物は3日分だけ(無理に1週間分を買わない)
まとめ買いをすると一見ラクそうに見えますが、結局食材を使い切れずムダにしてしまうリスクも高くなります。
3日分くらいなら冷蔵庫の管理もしやすく、食材が悪くなる心配も少なくて済みます。
やる気がない日は「チンするだけ」でもOK
毎日ちゃんと料理をする必要はありません。疲れている日や気分が乗らない日は、冷凍食品やレトルトを活用してもOK。
大事なのは「自炊=ハードルが高い」と思い込まないことです。
無理のないルールを決めることで、「自炊=大変」という思い込みを手放せます。自分に合ったペースと方法を見つけることが、長く続けるためのコツです。
具体的に何を食べればいい?おすすめズボラごはん例
ごはん+ツナマヨ丼
炊いたごはんにツナ缶とマヨネーズを混ぜるだけで完成。
お好みで醤油を少したらすと、風味がグッと引き立ちます。時間がないときでも5分以内で作れて、食べ応えも十分です。
冷凍うどん+めんつゆ+卵でぶっかけうどん
冷凍うどんは電子レンジで加熱し、めんつゆと生卵をのせるだけ。
ネギや天かすを加えると見た目も味も満足度がアップします。
暑い日は冷やして食べてもおいしい万能メニューです。
豆腐+キムチでスタミナ丼
ごはんの上に豆腐をのせ、キムチをたっぷりかければ完成。
ごま油や韓国のりを加えると風味がよくなり、ボリュームのある一品になります。
火を使わないので真夏にもおすすめです。
パスタ+レトルトソース(洗い物ゼロ)
鍋でパスタをゆでて、ソースをかけるだけ。
最近は袋のまま温められるレトルトソースも多く、洗い物はフォークと器だけで済みます。
ミートソースやペペロンチーノなど、種類も豊富なので飽きません。
食パン+ハムチーズトースト
トースターで焼くだけの簡単レシピ。
ケチャップやマスタードを少し足すだけでカフェ風の軽食にもなります。朝ごはんや軽めの夜食にぴったりです。
どのメニューも調理工程が少なく、洗い物も最小限で済むのが特徴です。忙しい日や疲れた日でも、無理なく準備できるので「今日は自炊めんどくさいな」と思ったときの強い味方になります。
これだけあれば安心!一人暮らしのための最低限キッチン道具
- レンジOKの深めタッパー:下ごしらえ、調理、保存、すべてを1つで完結できる万能アイテムです。汁気のある料理にも使えるので、丼ものや煮物風の一品にも重宝します。深さがあると吹きこぼれにくく、ラップをすれば冷蔵保存にも便利です。
- 電子レンジ対応の丼:そのまま加熱して、食器としても使えるため洗い物が1つ減ります。麺類や丼ものはもちろん、スープを作るときにも役立ちます。軽くて丈夫な素材を選ぶと扱いやすくなります。
- 計量カップ兼マグカップ:飲み物用としても、調理用の計量カップとしても使えるので、一人暮らしにはぴったり。お湯を沸かす、スープを作る、ソースを混ぜるなど幅広い場面で活躍します。目盛りがついているとさらに便利です。
- キッチンバサミ(包丁代わり):まな板を出さなくても野菜や肉をカットできるので、洗い物の量が劇的に減ります。調理のスピードも上がり、包丁が苦手な人でも安心して使えます。分解して洗えるタイプを選ぶと衛生面でも◎です。
こうした最低限の道具をそろえるだけで、自炊のハードルはぐっと下がります。道具を増やさないことで、収納スペースを圧迫せず、洗い物もラクになり、片付けのストレスも減らせます。さらに、一度使い慣れてしまえば、これらのアイテムでほとんどの簡単料理をカバーできるようになります。
料理は苦手でもOK!“自分のペース”で続けていこう
完璧を目指す必要はありません。毎日きちんと料理をしようとすると、逆にプレッシャーになってしまい続かなくなることもあります。作れなかった日があっても大丈夫ですし、冷凍食品やレトルトに頼る日があってもまったく問題ありません。
「今日はレンチンだけできた」「ごはんだけ炊いた」でも、それは立派な自炊の一歩です。大切なのは、できなかったことを責めるのではなく、少しでも前に進めた自分を認めてあげることです。自炊は長期戦なので、完璧を求めるよりも“自分のペース”を守ることがいちばん大切です。焦らず、自分に合ったスタイルを見つけながら、少しずつ習慣化していきましょう。

